実は変電とは、電気を何か他のものに変換する操作ではなく、ただ単に電気の電圧を目的に応じて変換する操作のことなのです。電気を発電所から需要家(家庭・工場など)へ送る過程で行われ、これを行う施設を変電所といいます。
なぜ変電が必要かというと、それは電力を遠距離送電するには高電圧が有利だからです。
電力は P = V × I(電力=電圧×電流)で表されるため、同じ電力を送るなら電圧を上げると電流を下げられます。送電線での電力損失は P_損失 = I² × R なので、電流を小さくすれば損失が激減します。
一方、需要家に高電圧のまま届けると危険なため、使用場所の手前で電圧を下げて(降圧、すなわち変電)送ることが必要になります。
日本での電圧の変化の流れ
発電所
↓ 昇圧(発電機出力は数万V程度)
超高圧送電線:275,000V〜500,000V(500kV)
↓ 降圧
一次変電所:154kV / 275kV
↓ 降圧
二次変電所(中間変電所):66kV / 77kV
↓ 降圧
配電用変電所:6,600V
↓ 降圧(電柱上の柱上変圧器)
家庭・小規模施設:100V / 200V
大工場などは6,600Vや22,000Vを直接受電し、自前で変電する場合もあります。
変電に必要な主要機器
変圧器(トランス):変電の中核。電磁誘導の原理で電圧を変換します。内部の2つのコイルの巻き数比によって、変換される電圧比が決まります(`V1/V2 = N1/N2`)。
遮断器(ブレーカー):異常時に回路を遮断する装置。機械的に回路を開放しますが、大容量のものは不活性ガスであるSF₆ガスや真空を利用し、放電によるキレの悪さを消去します。
断路器:点検・保守時に回路を物理的に切り離す装置。遮断器と違い、電流が流れた状態では開閉できません。
避雷器(アレスタ):落雷などの異常電圧(サージ)から機器を保護します。
計器用変成器(CT・VT):大電流・高電圧を計測可能なレベルに変換してメーターや保護継電器に送ります。
保護継電器:電流・電圧の異常を検出して遮断器に動作信号を送ります。
交流と直流の変電
一般的な変電は交流(AC)で行われ、変圧器で効率よく電圧変換できます。
近年は直流送電(HVDC)も普及しつつあります。海底ケーブルや長距離送電で損失が少なく、異なる周波数の系統(日本では東西で50Hz/60Hzが異なる)を連系できる利点があります。この場合は変電所内に交直変換装置が設置されます。
変電は「高電圧で効率よく運び、低電圧で安全に使う」という電力システムの根幹を支える技術です。発電から家庭のコンセントまでの間に、実に数段階の変電が行われています。
東和電気株式会社
住所:神奈川県平塚市代官町23−29
電話番号:0463-22-3366
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